プロ野球2024年シーズンも終盤を迎え、各球団の明暗が分かれつつある。埼玉西武ライオンズの歴史的低迷と外国人選手の不振、そして中日ドラゴンズのベテラン外国人選手ビシエド選手の去就問題が、リーグ全体に大きな波紋を投げかけている。これらの出来事は、日本プロ野球界における外国人選手の獲得戦略と活用方法に一石を投じる結果となっている。
西武、3年ぶりの最下位と歴史的低迷
埼玉西武ライオンズは9月10日、北海道日本ハムファイターズとの一戦でサヨナラ負けを喫し、3年ぶりの最下位が確定した。40勝83敗2分けという惨憺たる成績は、1971年の前身西鉄時代に記録した球団ワースト84敗にあと1敗と迫る歴史的な低迷ぶりを示している。
貧打に苦しむ西武打線
西武の凋落の最大の要因は、打線の不振にある。チーム打率.208、得点290という数字は、いずれも12球団最下位の不名誉な記録だ。特に外国人野手の不振が目立つ。
アギラー選手の不振
メジャー通算114本塁打の実績を持つアギラー選手は、年俸2億1000万円(推定)という高額で獲得されたが、30試合で打率.240、2本塁打、10打点という期待外れの成績に終わり、5月初旬に故障離脱。8月後半には右かかとの手術を受け、今季を終了している。
コルデロ選手の苦戦
メジャーで27発を放った左のスラッガー、コルデロ選手も日本の投手陣に苦戦。23試合で打率.129、1本塁打、4打点、24三振と惨憺たる成績に終わっている。
西武フロントへの批判
チーム再建のメインテーマとなる得点力不足の解消に向け、球団内外から渉外・国際部門への批判が高まっている。
独自路線への疑問
チーム関係者からは「独自路線にこだわり過ぎてリスクばかり冒している」という声が上がっている。他球団の実績ある外国人選手を避け、未知の選手を獲得する傾向が、チームの競争力を低下させているという指摘だ。
プライドが邪魔?
「他球団のお古は嫌という変なプライドが、結果を出すという本来の目的を邪魔している」という痛烈な批判も出ている。実際、ロッテのポランコ選手やソト選手のような実績ある外国人選手がいれば、クリーンアップの悩みは解決していたかもしれない。
中日ビシエド選手、現役続行への熱望
一方、中日ドラゴンズのダヤン・ビシエド選手(35)は、現役続行への強い意欲を示している。
中日との契約終了
今季が3年契約の最終年となるビシエド選手だが、中日との契約更新の見通しは立っていない。「現状を考えると、今年で(中日でのプレーは)最後の可能性がある」と、ビシエド選手自身も中日との決別を覚悟している。
他球団移籍も視野に
ビシエド選手は「もっと試合に出たい。自分の仕事をできる場を与えてくれるところであるならば行きたい」と述べ、他球団への移籍も視野に入れている。昨季中に国内フリーエージェント(FA)権の資格条件をクリアしており、外国人枠にとらわれない「日本人選手扱い」となっているため、移籍の可能性は十分にある。
NPBでの実績
来日9年間で通算958試合出場、1012安打、139本塁打、549打点、打率.287という実績を残したビシエド選手。2018年には首位打者、最多安打などの打撃タイトルも獲得している。
今後の展望
西武は歴史的低迷からの脱却を目指し、オフシーズンに向けて様々な改革が行われる可能性が高い。特に外国人選手の獲得方針の見直しは避けられないだろう。
一方、ビシエド選手の去就は、ベテラン外国人選手の価値を再考する機会となるかもしれない。実績ある外国人選手を活用できるかどうかが、各球団の来季の戦力構築の鍵となりそうだ。
2024年シーズン終盤、各球団の戦略と選手の動向に注目が集まっている。西武の再建とビシエド選手の新天地探しは、オフシーズンの大きな話題となることは間違いない。
ホークスファンの自分は満足のシーズンだけどね